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№8  断乳をむかえて

 ついにこの日が来た。今まで母乳育児を続けてこれた満足感と、もう息子に母乳を与えられないという寂しさ。そして、本当に断 乳出来るのだろうかという不安。そんな複雑な気持ちの中で始まった。
  眠る前は、必ずオッパイを飲んでいた息子。一日目は、やはり眠くなると私の膝の中へ来て、オッパイを飲む体勢となった。思わず私もオ ッパイをあげたい気持ちになるが、そこをぐっと我慢して立ち上がり、ゆらゆらと抱っこをした。息子は”どうしてオッパイくれないの?” と言っているかのように泣いていたが、しばらくすると泣き疲れたのか、眠った。そして、夜中は2回ほど起きた。2回目に起きたときはなか なか寝てくれず、とにかく泣いていた。主人が協力してくれ、息子を抱っこしてくれるが、何故か息子は私に抱っこを求めてくる。でも、不思 議とオッパイを飲む体勢はしなくなっていた。”オッパイはもう貰えない”と、息子は解っているみたいだった。しかし不安なんだろうか、泣いていた。

  今までオッパイは息子にとって、栄養を摂るだけのものでなく、精神安定剤的な役割もしていたんだと思う。そんな大切なものが急にもらえず、見る ことも触ることも出来ないのだから、親も大変だったがそれ以上に息子は辛かっただろう。

  そして二日目。二日目は一日目ほど泣かなかった。一番驚いたことは、夜中に起きなかったこと。明け方に一度起きたが、麦茶の入った水筒を自分で手にとり” ごくごく”と飲んで布団に”パタン”と転んで眠ってしまった。はっきり言ってこっちが拍子抜けしてしまった。抱っこもしないで眠ってしまうなんて思って もみなかった。子供って、案外順応性が高いのだろうか。

  三日目もオッパイを欲しがることなく過ぎ、断乳は成功した。断乳が成功した反面、私のオッパイは、二日目頃から”ガンガン”に張って痛かった。 それは、まるで出産後にオッパイが張ってきた時の様だった。その張りを感じたとき、母乳育児がうまくいかなかった初めの頃を思い出した。なかなか しこりがとれず、出の悪いオッパイを嫌がっているようだった。正直言って”もうミルクにしてしまおうか”なんて思った事も何度かあった。 しかし、母乳外来での先生のマッサージ。そして、その時にお聞きするいろいろなお話で”ああ、もう少しがんばってみよう”と思い、あきらめませんでした。 その結果、一歳三ヶ月になるまで母乳を与え続けることが出来たのです。

  一年と三ヶ月。長かった様だけど、人の一生からみればほんの少しの期間。息子の記憶には残らないだろうけど、私にとってはすごく重みのある期間でした。 また、オッパイをあげている時は、誰にも入れない私と息子の二人だけの大切な時間でした。

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西ぎふ産婦人科 院長:鷲見 裕久 母乳外来担当:鷲見 季予子 診療科目:産科・婦人科

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